2013年1月13日日曜日

80/20のルール


 前回から、多忙化への対応法に関する情報を提供しています。

 一言でいってしまうと、これまでにも何度か書いている優先順位の明確化なわけですが、これは言うほど簡単ではありません。「わかっちゃいるけど、やめられない」というやつです。
前回のマトリックスで言えば、緊急度の高いものに惑わされて、重要度の高いものも、低いものも一緒にしてしまいますから、重要度は高いのに緊急度が低いもの(第二領域)に手をつける時間がなくなっているわけです。ある意味では、授業も学校も、そして制度としての学校システムもよくなれない最大の理由は第二領域があまりにもおろそかにされすぎているからと言えます。さらに、この問題は教育に限定されません。すべての社会、政治、経済問題が抱えています。★
 しかし、第二領域への取り組みは、その大切さは「わかっちゃいるけど、手がつけられない」「取り組む余裕がない」が続いています。

 では、どうやって時間を作り出すか、それが今回のテーマである「80/20のルール」です。

みんな強烈に忙しいです。やることは限りなくあります。
 しかし、問題は優先順位です。何に時間とエネルギーを費やすか!! ★★
 80/20のルールとは、大切なことに80%の時間とエネルギーを費やし、残りは20%でこなすということを意味しています。そして、その「大切なこと」とは、やらなければいけないこと全部を100%とした場合に、多くても20%に絞り込むことも意味しています。それ以上では「大切なこと」とは言えませんから。(具体的には、一つか二つに絞り込むことです!)

 このルールを意識することで、あることをする場合に、何はできなくなるのかを考えるようになります。そうなると、やらなければならないことの中でどちらが大切なのかも考えます。大切だからと(錯覚して)すぐに行動に移してしまうと、本当に大切なことに時間を割けなくなるからです。一つのことを「する」と判断することは、たくさんのことは「しない」と自動的に判断しているからです(特に、第二領域に排除されるものが多いです。緊急性が低いので)。

教師が力を入れることは、子どもたちも好きになります。教師のやる気が伝わるからです。たとえば、WW&RWに打ち込む教師です。教師がほどほどにしている普通の国語では、子どもたちはどうしてもお付き合いになってしまいます。教師のやる気が伝わりませんから、好きになれませんし、結果的に身にもつきません。
 教師のやる気が伝播することで、できる子が増えると、残りの子たちもそれにひっぱられてできるようになります。結果的に、教師一人ががんばらなくていい状態が作り出されます。★★★(まさに、WWやRWでおこることです。)

 ぜひ、自分にとって、自分の授業にとって、自分の学校にとって時間とエネルギーを費やす価値のあるものは何かを見極めてください。それをしないと、今のまま(=偉大なる停滞=子どもたちの学びの質と量が極めて低いまま)が続いてしまいます。


※ 今回書くに当たって、参考にしたのはSmall Change, Big Change(特に、第4章)という本です。これは算数の教え方を変えよう!という本です。


★ それらを打開するためにも、授業でそのモデルを日々示し続けることが大切です。それ以外に、どこに解決の糸口は見出せるでしょうか? そのためには、管理職が教職員、教育行政が学校現場にモデルで示すことが第一歩になります。

★★ もちろん、授業の質を上げることです。

★★★ ここでも、管理職は教職員に、教育行政は学校現場にモデルで示すことが第一歩になります。口で言ったり、物に書いたりするぐらいでは、実現しませんから。

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