2014年9月7日日曜日

夏休み中の研修



あなたも、夏休み中に研修を受けられましたか?

たくさんの先生方から、いかに義務として参加させられる教育センターや免許更新制の研修がひどいかを聞かされました。★
10人中9人は、「時間の無駄」と言っています。
主催者の中には、「これで先生方も、子どもたちがいかに苦しい思いをしているかお分かりになったでしょう」とまで受講者に言い放った人がいたそうです。苦しまないで済む方法での研修に自ら挑戦しようとせずに。
10人中1人ぐらいは、「とても参考になりました」という反応がありましたが、2学期以降に実践できるのかは、はなはだ疑問です。

表1を見てください。


これは、アメリカではすでに1980年代にわかっていたことです。

これを日本で行われている研修に照らし合わせると、97%の研修は、AかBで行われているのではないでしょうか? 要するに、講師が講義し、受講者はひたすら聞く、という形で。講義の中には実例の紹介も含まれている場合が多いと思います。

Cで行われるのが残りの3%ぐらいと見積もっています。要するに、最近増えつつある「ワークショップ型」というやつです。「体験」を重視しています。しかし、応用/活用の数字を見てください。ほとんど上がっていません。
理由がわかりますか?
教師同士でやるのと、個々のクラスの実態はあまりにも違うからです。
教師同士だと、それなりに合わせてくれます。しかし、子どもたちは合わせてくれませんから、ほとんどの体験者は、実際にやれるとは思えないのです。

Dの研修後のサポート/フォローアップまで含まれた研修は、今の日本では行われているでしょうか?
これこそが、研修効果を上げる唯一の方法であるにもかかわらず。
(逆に言えば、たくさんの受講者に話を聞かせても、単に、関わる人全員の時間とお金の無駄遣いをしているだけなのです。受講者の数を減らしても、受講者が確実に活用できるまでサポート/フォローアップした方が、ゆくゆくはその紹介したものが普及する早道なのですが・・・)

ちなみに、受講者の中には、このサポート/フォローアップが必要ない人もいます。
表1を見てください。話を聞いただけでもできる人は、20人中1人か2人はいます。
残りの人たちも、その必要度は様々です。1回~2回で必要がなくなる人から、5回、10回、20回必要な人まで。
さらにいえば、価値あるものは継続してこそ得られるものが大きいです。そうでないものを、あえて紹介する必要はないわけで。

サポート/フォローアップの重要性は、納得していただけたでしょうか?
納得していただけたら、ぜひ、校内研修も含めて、この要素こそを中心に据えた研修に転換していってください。
(どのようなサポート/フォローアップ体制を構築できるかが、研修の企画者の腕の見せ所です。本来は、これこそがもっとも大事なことなのですが、これまでは、それが研修計画の中に含まれて来ませんでした。)
それが実現されない限りは、授業でも「サポート/フォローアップ」こそがもっとも重要なんだということが、いつまでたっても軽視されたままが続くだけですから。(自分が体験していないものを、子どもたち対象にすることはほとんど不可能ですから。)


★ 自主的に参加した民間団体の研修に参加した先生の反応の方が、少しは良かったですが、とても表1を意識しているとは思えないものでした。単に、いい講師を揃えている、というだけ。従って、Aの話の内容が少しはいいだけ。とてもじゃありませんが、「授業の主役は子どもたち」のモデルになるような「研修の主役は受講者たち」が日本で実践されるのは、大分先の話のようです。



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