毎週金曜日は自分の所属以外のキャンパスで講義があります。
帰りは、いつも東京駅の近くにある、書店の丸善に立ち寄ることにしています。
今回たまたま月刊誌「児童心理2014年10月号」(金子書房)を立ち読みしたら、特集が「学校ストレス」の問題でした。著者は早稲田大学の菅野純さん。著者はその「ストレス減としての学校」を分析するなかで、心理的側面として次のようなことを指摘しています。
(同書p.2)
・学校生活で守るべき規則が多く複雑である
・授業進度が速くとり残される可能性がある
・興味のない授業でも、授業内容がわからない授業でも、静粛に授業を受けることを求められる
・・・・・(以下、略)
学力テストの結果がこれまで以上に重大視されている今の学校現場では、このような問題が生じることは当然のことです。「興味のない授業でも、授業内容がわからない授業でも、静粛に授業を受けることを求められる」という悲劇的な状況を教室内に作らないことにまず全力を注ぐことから始めたいものです。
そのための方策は、このブログですでに紹介されています。
まず、自分の担任する学級で、また管理職の方であれば、校内で協働的な関係を土台として、教職員と一緒に作り上げていくことからすべては始まります。
さきほどの雑誌の79ページでは、「水曜日も休みだったフランスの学校」という論文も掲載されています。著者は南山大学の小林純子さんです。
「フランスの公立初等学校は、2013年の新学期から、1週間に24時間の教育を月曜日、火曜日、木曜日、金曜日の午前と午後、水曜日の午前の計九回の半日に、一日の授業時間数が五時間半を超えないように割り振ることになった。」
これを読むと、日本人はおそらくだれもがびっくりするでしょう。
土日以外に水曜日の午後が休みとは。しかし、2013年以前は土日以外に水曜日が丸一日休みでした。さすがに、週4日の授業日では一日当たりの授業時間数が多くなるので、4日制から4日半制になったようです。面白いのは、このように変更するために「時間割編成に関する国民会議」なるものが設置され、いろいろな団体から意見を聞いたり、ウェブ上でも意見収集をしたりしているということです。
日本では、最近土曜授業を復活させて、土曜日を授業日にする動きが大きな流れになりつつあります。
これは、「授業時数を増やせば、学力向上」を目論んでのことですが、すでに先行研究では反対の結果が出ています。
要は授業の質の問題です。「学びの原則」をふまえた授業を実現するということです。(「学びの原則」については、「『読む力』はこうしてつける」吉田新一郎2010・新評論p.60を参照してください。)
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