2018年1月21日日曜日

グーグルが導き出した「ビッグ・エイト」(最高の上司の特徴)


① あなたが管理職(や教育委員会)に求める資質は、どのようなものですか?
 ② あるいは、子どもたちが教師に求める資質は?

 『The Best Class You Never Taught(あなたがこれまでに教えたこともない最高の授業)』というタイトルの本を訳しています。これは、教師の介入なしで生徒たちが話し合いをするための手引書です。これ以上の「主体的・対話的で「深い学び」」はないだろうな、と思ってしまいます。

 その中で、以下のような文章があります。(原著10~11ページ)

 学校は、将来のキャリアに必要なスキルを身につけさせて卒業させるために、ソーシャル・スキルを教えるためのより効果的な方法が必要です。2009年に、グーグルは会社を辞める決断をした人たちがどんな理由をもっていたかを明らかにする調査をしました。その結果発見したことは、もっとも大きな要因は「ひどい上司」でした。そこで、型破りなテクノロジーの企業であるグーグルは、いい上司と悪い上司の数を把握できないかと自問したのです。その結果、「プロジェクト酸素(Project Oxygen)」★が生まれました。グーグルが得意な大量のパフォーマンス評価、フィードバック調査、優秀社員賞への推薦者等のデータを解析することによって、会社にとって最高の上司の特徴を以下の8つの点に絞り込んだのです。グーグルは、これを「ビッグ・エイト」と呼び、重要な順位に並べました。

  1. よきコーチである
  2. チームを後押し、細かいマネジメントはしない
  3. チームメンバーの成功や生活に対し、関心がある
  4. 臆病にならない~生産的で結果主義である
  5. よいコミュニケーター~よき聞き手である
  6. 部下のキャリア形成を助ける
  7. 明確なビジョンと戦略をもっている
  8. チームにアドバイスできる技術的な専門知識をもっている
 「プロジェクト酸素」のチームは、「社員がもっとも求めているのは、一対一でのやり取りに時間を割いてくれ、答えを左右するのではなく、問いかけることによって問題を解決するのを助け、部下の暮らしやキャリアに興味を持ってくれる、バランス感覚をもった上司」であることを発見しました。★★このリストでもっとも興味をそそるのは、1、2、3、5番はすべて協力して仕事をしたり、コミュニケーションに関連するものだということです。そして、リストの最後に挙がっているのが「技術的な知識」でした。内容理解よりも、あなたが指導している人たちを元気づける方がはるかに重要なのだというのは、私たちのほとんどが教わったのとはまるで逆さまですが、完全に筋は通っています。グーグルのような企業にとって、協力することこそがデザインしたり、創り出ししたり、実施したりするすべてと言っても過言ではないのです。★★★

▲以上、長い引用終わり

 上記の本で紹介してある話し合いを継続してすることで、これらのスキルをほとんどの生徒が身につけてしまうというわけです。やってみたいと思いませんか?

★ 「Project Oxygen」で検索すると、このプロジェクトに関する多数の日本語情報も入手できます。すでにビジネス界では、知る人ぞ知るの情報です!
★★ これは、まさに『校長先生という仕事』に書いたことと同じです。
★★★ これはグーグルのようなハイテク企業に限らず、学校も含めて、これから21世紀を生きていくのに欠かせないリストが「ビッグ・エイト」だと思います。
★★★★ ちなみに、冒頭の①と②の答えは、「ビッグ・エイト」そのものです。両者は入れ子状態ですから、同じです。

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