2014年3月16日日曜日

フィードバック


  前回のテーマとの関連でも言えることなのですが、機能している関係や組織や社会に共通してあるものがフィードバックで、共通して存在しない(ないし弱い)のがフィードバックのような気がしています。(前回のテーマの「リサーチャーとしての教師」は、サイクルを一人で回し続けることもできなくはありませんが、同僚や上司あるいは外部のサポーター等との協力関係でやれれば、効果は倍増しますから。)

 学校に限らず、日本の場合は会社や役所等でも、このフィードバックが機能していないか、極めて弱い状態のところが多いです。フィードバックし合う関係ができていないというか、そもそもコミュニケーションや人間関係が築けていないというか。(とにかく、「みんなが個別に忙しい」のです。でも、それが続く限りは、個人も組織も成長できないのですから、子どもたちの学びの質と量が向上するはずがありません。)★

 フィードバックということで、一番手っ取り早いのは、これまでに何回かこのブログで紹介してきている「大切な友だち」の方法です。(つまり、カンファランス的な話し方!)
 この方法は、大人同士はもちろん、対象が子どもの時も、絶大な効果を生みます。

① 相手への関心を示して、100%集中して聞く・見る。(必要ならメモもとりながら)
② 聞いて(見て)いてわからなかった点やハッキリしなかった点は質問する。こちらが勝手に解釈してしまってはまずいですから。
③ 聞いて(見て)いてよかった点は、些細なことも含めて、できるだけ具体的にたくさん指摘する。いい点を指摘されて、歓ばない人はいませんから。
④ 改善できると思った点は、質問の形に切り替えて問いかける。フィードバックされた側は、すぐに答える必要はない。すぐに修正・改善できるようなものの方が少ないので、引きずることが大切!!
⑤ よかった点と改善を要する点の中で、もっとも強調したい点1~3つに絞って、フィードバックする相手に「愛を込めたメッセージ(=ラブ・レター)」を送る。ラブ・レターをもらってうれしくない人はいません。たとえ、その内容がなんであれ。愛さえこもっていれば、フィードバックする側の意図は通じます。

 最初のうちは、なかなか③を出すために①をすることができません。あら捜しは、頼まれなくてもできるのですが。どうも、私たちはそう習慣づけられてしまっているようです。
 でも、練習次第で、誰でも、②~⑤はできるようになりますから、ぜひ練習してください。同僚と。そして子どもたちに対しても。
 時間がないときは、②~④を省いて、①と⑤だけということになりますが、それは双方が練習をつんで、②~④がしっかり自分たちのものになった上でないと、最初から⑤だけをやろうと思っても無理です。なかなか伝わるものではありません。

 「大切な友だち」を使って、フィードバック、サポート、コミュニケーションを円滑にする練習をしてください。これらがないと、個人も組織も成長できませんから。


★この理由は複合的だと思いますが、以下のような学校や組織の現状から来ています。


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